beryulog

iOSアプリ/サーバーサイド開発者のメモと雑記

「ラクして速いが一番すごい」を読んだ

マネジメント術を尊敬しており、たまにお話すると得られるものが多い方が『「ラクして速い」が一番すごい』をSNSで取り上げていたので、試しに買って読んでみました。

ざっくり感想

短編読み切りのライフハック記事集という感じ。
マネジメント術と呼べるものはそれほどなく、どちらかというと部下が上司をコントロールする手法が書いてあります。
ページ数は200ページちょっとで、ゆっくり全部読んでも4時間くらいで読めました。

「エクセルを効率よく使う方法」的な内容が入ってたりして、全体的に大企業の営業職寄りな内容かな?と思いましたが、エンジニアも他職種・他部署やエンジニア同士でのやり取りは発生するので、参考になる内容も多かったです。
ただ少し打算的な内容が多く、特に「組織・派閥のルールに従って動いている人を、そのルールを逆手に取って動かす」的な内容が含まれているので、活かせる知識の幅は勤めている組織に寄ってだいぶ左右されそうな印象でした。
(私が今所属している組織は皆さん自由に発言・行動していて、組織もそれを受け入れている方だと思うので、比較的この本の知識を活かせる場は少ない職場かもしれません。)

印象に残った項目の一部ピックアップとその感想

全部紹介してしまうと本の内容の転載になってしまうので、個人的に気になった項目の一部だけ紹介しておきます。

報連相ではなく"ソラ・アメ・カサ"で確認する

「報告・連絡・相談」は有名ですが、この方法では認識のズレが起きがち。
なので、別の情報を加えて認識を合わせて、上司の正しい判断を仰げるようにしましょ、という内容。
これを出来るようになるためには報告する側が考えないといけない事が増えるので、自然に自走力も鍛えられるのかもしれません。

"自分の"価値観より、"会社の"価値観を賢く利用する

「一社員の意見」だと受け入れてもらいにくいので、会社の価値観に沿った文脈で説得力を上げましょうね、という内容だと理解しました。
「ざっくり感想」欄で述べたように、私の勤務先は社員の意見が取り入れられやすいのですが、ふと考えてみるとそれは皆で会社の価値観を共有できていて、自然とそれに沿った意見を出せているからなのかな、とも思いました。
目次タイトルの言葉遣いから打算的な項に見えますが、実は本質的な内容なのかも。

壁を壊すより、安全地帯として利用する

組織の動きを鈍らせるような壁は悪だが、自分を守ってくれる壁は良い壁だから利用すべきだ、という内容。
組織の傘となって、ミッションに集中させてくれる上司の元で働きたいですもんね。
「壁を無くす」と言うと耳障りは良いですが、適度に残して働きやすい環境を作るというのも必要な事だなと感じました。

60分を超える会議には参加せず、重要アポを入れて堂々と出ていく

このハック云々以前に、無駄な会議だとわかっているのに会議の開催自体を止める提案が出来ない組織が悲しい。。

若手社会人は読むと得られるものが多いかも

私は同意できる箇所も出来ない箇所もありましたが、前職含めていろんな方からアドバイスして頂いたような話がざっくりまとまっていたので、20〜30代前半くらいの社会人の方にはオススメ出来る本だと思いました。